狐面からの招待 2017年11月11日 「裏庭にようこそ」 大きな体に阻まれた。見上げてみると狐の面。そう、確かに入口のようなものを見てしまったからやって来た。鳥居のようにくぐれと言わんばかりの、ご機嫌な装飾が手招きするような入口があったのだ。だから近付くごとに薄気味悪さが増す中を、飛び石に縋りながら進んだのだ。一つ跳ねると湿地帯に生える陰気な植物に取り囲まれ、二つ跳ねると足元は沼と化し、転べば負けよと三つ跳ねると狐面の招待を受ける。尻餅をつかなかっただけましだ。だからといってくるりと向きを変えて逃げ出すわけにもいかない。どうも呼び鈴を鳴らしてしまったようなのだ。...
11月 2017年11月10日 --山茶始開(つばきはじめてひらく) -17.11.0732.いつか飛び立つ翅を持った植物朽ちた蝶を埋めた土から芽が出た。再び翅を広げたと思ったら、あれよあれよと言う間に数が増えた。植物なのか虫なのかも分からないが、庭を占領しないでおくれと囲いを作ってやるとぴたりと収まった。月に向かってのびのびと翅を伸ばしている。
7-10月 2017年11月10日 -17.07.0213.季節に挟められた思い出季節の繋ぎ目に、薄い紙が挟まっている。本のページを捲って落ちる押し花のように人や動物たちの目をひいて、過ぎた季節を小さな風に変えた。忘れられない思い出なら、また次に時期が巡り来るまで挟めておこう。